毎年、春季には耳鼻科、内科の病院では花粉症の症状でお困りの方々が来院され始めます。
典型的な症状は、鼻づまり、くしゃみ、鼻水ですが、岐阜エリアでも、目が痒い症状、皮膚掻痒感を
訴える方が少なくありません。
岐阜市にある当院でも、毎年1月から5月にかけて、スギ・ヒノキ花粉症を何とかしてほしいという
要望をもって多くの患者様が治療薬を求めて受診されています。
とにかく強い薬で鼻水、くしゃみ症状を抑えてほしい。でも、副作用の眠気が困るので、
薬を選んで下さいという希望もあります。当然のことですが治療薬の要望に対しては、
個別の事情を汲み取る必要があります。
岐阜中央郵便局の東側にある当院では、眠くなりくい錠剤の鼻炎薬と漢方薬の組み合わせ治療で
対処しています。2016年11月、待望の新薬2種類が承認されました。その結果、
2017年シーズンから外来での治療管理にそれらを処方することが可能になりました。
今回は、新薬であるビラノア(一般名:ビラスチン)とデザレックス(一般名:デスロラタジン)に
スポットを当ててご紹介いたします。
一般的には、この治療薬は花粉症と呼ばれているアレルギー性鼻炎に保険適応があります。
その他、じんましん、湿疹、皮膚炎による掻痒感に対して活用することができます。
通常、スギ・ヒノキ花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎には、スギ花粉飛散の直前から
服用を開始して、シーズン終了まで飲み続けることが大切です。
ただし、注意点として飲み方があります。この薬は空腹時に飲む必要があります。
用量は有効成分ビラスチン20mgであり、1日1回1錠の内服です。
空腹時(食事の1時間以上前、または2時間以上後)の服用がポイントです。
さらに、グレープフルーツとの併用で効果が30%程度低下するので、飲み物にも
気を付けなければなりません。
第二世代抗ヒスタミン薬の中で、眠くなりくい鼻炎薬は、アレグラ(フェキソフェナジン)、
クラリチン(ロラタジン)、そして後述する新薬デザレックス(デスロラタジン)が
選択肢としてあります。
ビラノアは、上記の鼻炎薬と同じくらい眠気を起こしにくい特徴を有しています。
花粉症治療薬の中で、眠気が少ないものとしてビラノアと同じく利用できるようになりました。
この薬は、ビラノアと比較して食事の影響を受けにくいため、いつ服用してもOKです。
前述した眠くなりにい鼻炎薬クラリチンの有効成分であるロラタジンの代謝活性体です。
保険適応の病名としては、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚掻痒症)による
掻痒があります。用量は有効成分デスロラタジン5mgであり、1日1回1錠として服用します。
さて、ここでビラノアとの違いがあります。
それは、12歳以上であれば、デザレックス処方が可能という点です。
一方、ビラノアは成人に適応があります。
ただし、ビラノア20mgのほうがデザレックス5mgと比較して、抗炎症作用の効果は有意に強く、
速いことが報告されています。
ビラノアとデザレックスは眠くなりやすいという従来からある抗ヒスタミン薬の副作用が
少ないという点があります。眠気が少ないという利点は嬉しいものです。
早く症状を抑えたい、そして、より強い抗炎症作用を希望するときは、ビラノアを
検討すると良いと思います。ただし、ビラノアは飲み方に注意を要します。
空腹時の服用が、この治療薬のポイントです。
一方、食事の影響について縛りを受けたくない場合は、デザレックスの選択を考慮します。
岐阜市の阪野クリニック作成のこのページが、花粉症のシーズンを眠気が少ない薬を活用して
乗り切りたいという方々に参考になれば幸いです。
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